連日のうだるような暑さの中、先日からディマンド・レスポンスのTVコマーシャルを見かけるようになりました。夏の電力需要の増加を見越し、需給調整に協力を促すため、ディマンド・レスポンスの認知向上を狙った広告に感じました。
電力やエネルギー分野にあまり馴染みがなかったころ、自分の生活の中でディマンド・レスポンスという言葉を聞いたことはありませんでした。ディマンドやレスポンスはそれぞれ単語として使うことはありますが、その二つの単語が組み合わさり日本語でもカタカナのまま使われるのは比較的新しい言葉で、現在、電力自由化の進む中でキーワードだと認識しています。
では、ディマンド・レスポンスとは一体何でしょうか。
資源エネルギー庁のホームページにわかりやすい説明がありました。
「ディマンド・リスポンス(DR)とは、消費者が賢く電力使用量を制御することで、
電力需要パターンを変化させること」であり、それにより「電力の需要と供給のバランス」を可能にします。
以前から電力は需要が増えれば供給を増やし、その供給をいかにコントロールしていくかが課題でしたが、ディマンドレスポンスの考え方では、利用者が需要そのものの調整に参加します。具体的に日常生活に当てはめて考えると、利用者が事前に電力会社と契約をし、電力需要が逼迫が見込まれた際ディマンド・レスポンスの発動の連絡を受け、電力使用を減らすことで、電力会社から報酬を受け取ります。これにより利用者には報酬、供給者には供給を増やすことなく需要を抑制という両方にとってもメリットが生まれます。他にもディマンド・レスポンスの方法はありますが、一消費者としてイメージしやすいのは自宅などで空調を弱める、不必要な電気を消すなどの電力使用を減らすだと思います。
従来の電力需給のイメージは利用者がコントロールできないものでした。でも、電力自由化によりエネルギー業界ではさまざまな変化が起き、利用者も需給調整の一端を担うことが目に見える形で可能になってきました。その変化は利用者にとってメリットがあるにも関わらず、積極的に自ら情報を取りにいかないと、まだまだ簡単に見聞きするものではありません。ディマンドレスポンスもその一つです。馴染みのないこのカタカナ用語が少しでもTVコマーシャルなどで視聴者に印象づけられますように。
今年の夏はディマンド・レスポンスが発動される機会がまだまだありそうです。
皆さまも暑さにお気をつけて、元気にこの夏をお過ごしください!
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